このアルバムは中島みゆきが他の歌手へ提供した曲を自分で歌ったものである。
他人に渡した曲が自分の下へ帰ってきたという意味で「おかえりなさい」とタイトル名を付けた。
当然、中島みゆきの色がつけられて、元の歌手の歌が色褪せたという面も持つ。
がしかし、みゆきは別に提供した歌手にこびへつらうことはないし、「だってあたいの歌だもん」と言いそうである。

尚、このレコード版には「あばよ」と「追いかけてヨコハマ」のカラオケがおまけとして付いている。
昨今のカラオケブームの中でCDに付いているのは当たり前になっているが、この当時としては画期的である。
私はこの解説を書くに当たってレコードをかけようとして「おや、何かあるぞ?」と興味深々で回転速度を45にして(大きいLP版は33回転、小さなSP版は45回転と面倒くさかった、昔は)前奏は変わらないから「なぁんだ」と落胆したがボーカルが入ってないのにびっくり仰天!!
後でも述べるがCDを初めて発表したのも中島みゆきだった。やっぱり、みゆきは「進んでるぅ!」

編曲者は名前があるだけで、どの曲を編曲したかは不明である。ベース奏者の後藤次利、「はっぴいえんど」の一員であったギタリストの鈴木茂、コーラスを担当もした戸塚修、そして前々回のアルバムから編曲を担当している福井峻の四名が列挙されている。

列挙するのが面倒くさいほど沢山の楽器を使いミュージシャンも多数参加している。
これまでになかったゴージャスな曲ばかりである。
このアルバムのオリコン最高位は2位。

題名 歌詞
曲調
解説
あばよ
ワルツ
研ナオコに提供した曲。ふられ節。いつも居留守を使われるほど嫌われたのなら笑って「あばよ」ときどってみせる。
フォーク
グラシェラ・スサーナに提供した曲。ふられ節。長い髪があなたは好きだと聞いたので、腰まで髪を伸ばしたのにあなたは離れていくばかり。
サヨナラを伝えて
ボサノバ
研ナオコに提供した曲。ふられ節。あなたが恋の身代わりに「さよなら」の花言葉の黄色いローズマリーを持たせて来た。
しあわせ芝居
バラード
桜田淳子に提供した曲。斬新なアレンジが提供曲とは全く異なった歌にしている。電話するのも逢いたがるのも私ひとり。
雨・・・
バラード
小柳ルミ子に提供した曲。ふられ節。裏切られた想い出に氷のような芝居を打つが、やはり愛しく想い出ばかり募る。
この空を飛べたら
フォーク
加藤登紀子に提供した曲。ふられ節。別れを告げられ、鳥のように大空を飛べたら、あの人も優しくなる気がして、何もかもが帰って来るような気がする。エンディングのアフリカの原住民族の打楽器のようなアレンジが独特の効果をあげている。
世迷い言
フォーク
日吉ミミに提供した曲。ふられ節。男にふられた後には必ず風邪をひく。「風邪」は、もう恋などすまいという決意か?
ルージュ
バラード
ちあきなおみに提供した曲。ルージュをひくたびに口をきくのがうまくなったり、つくり笑いがうまくなったりしていることを自覚する。「ルージュ」(口紅)は世間にたける術?
追いかけてヨコハマ
ロック
桜田淳子に提供した曲。この曲も提供曲と全く異なるアレンジが素晴らしい。横浜=中華街からか中国の楽器を使っている。横浜で逃げた男を追っている。
強がりはよせヨ
フォーク
研ナオコに提供した曲。男に対して強がりを言う女の哀れさ。「強がりはよせよと 笑われて 淋しいと答えて 泣きたいの」淋しいからこそ強がりを言っていなければ崩れてしまう。
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