中島みゆきの一番の魅力はその歌詞にあることは誰しも認めるところでしょう。

1975年11月に開催された『世界歌謡祭』でグランプリを獲得した『時代』は心打たれる人生歌です。

その後中島みゆきは多様な種類の歌詞を書いてゆきますが、初のオリコンチャート1位となった『わかれうた』の大ヒットにより「別れ歌唄い」「ふられ節」のレッテルを貼られます。

確かに別れた男への未練を断ち切れない女性の心理を歌った歌は同性に共感を呼びました。異性である私には理解はできても共感はできませんが心の痛みが伝わってきます。

それ以上に中島みゆきに惹かれるのは「ふられ節」以外の歌に心惹かれるからです。

具体的な題名を挙げれば、『彼女の生き方』『まつりばやし』『ホームにて』『化粧』『狼になりたい』『異国』『成人世代』『歌姫』『ファイト!』『僕たちの将来』『ノスタルジア』『やまねこ』『HALF』『ミュージシャン』などがあります。勿論これらは代表的な歌で、アルバム収録曲やシングルともに深い感銘を受けます。

中島みゆきの歌詞は暗喩に富んでいて理解の及ばないのも数多くあります。判らないからこそ何とか理解しようと引きずりこまれています。

ファーストアルバムの最初に収録されてある『あぶな坂』が一番暗喩に富んでいます。そもそも『あぶな坂』という中島みゆきの造語の理解に苦しみます。

私はカラオケで中島みゆきの曲をよく歌うのですが、歌っている最中にそれまで理解できなかった部分の歌詞が突然氷解して感動を覚えることもあります。

中島みゆきの歌は歌詞がクローズアップされる反面、メロディが語られることは余りありません。しかし、メロディラインは歌詞を支える重要な柱となっています。漫然と聞いただけではメロディの素晴らしさに気付きません。カラオケで歌ってみるとメロディも一流であることに気付きます。(デビューした当初、荒井由美<現:松任谷由美>と比較されましたが、メロディの面では荒井由美に一歩譲ることを認めざるを得ません)

中島みゆきは「歌詞」にこだわっています。「私の詞はメロディがあって初めて成り立つもの」とインタビューで答えています。朝日新聞社が中島みゆきの歌詞を集めた本を出版する際、『中島みゆき全詩集』とタイトルを考えていたそうです。それに対して中島みゆきは「詞」でないと認めないと抵抗し、結局『中島みゆき全歌集』として出版されました。

先のカラオケの例もメロディにのって歌詞がが理解できたと考えていいでしょう。それに対してさだまさしは、自分の歌は「詩」であると言っているそうです。「メロディがなくても詩として十分に価値がある」と。私はさだまさしはサード・アルバム『私花集(アンソロジイ)』までしか聞いていないので何とも言えませんが、敢えて言わせてもらえば「それなら詩人に転身すれば」と思います。


閑話休題。

シンガーソングライターである中島みゆきは歌詞では他の追随を許さず、メロディも一流であることも魅力となっています。

私は散文なら得意なのですが、韻文となるとからっきしダメです。中原中也や谷川俊太郎の詩集を持ってはいますが、理解に苦しむほどです。

谷川俊太郎は中島みゆきの歌詞を研究しているらしいです。逆に中島みゆきの大学の卒論は谷川俊太郎をテーマに選んでいます。

別項で中島みゆきの歌詞の解釈を私なりにしていますが、韻文が不得意な私ですから、独断と偏見に満ちたものとなっていることをご容赦ください。

そもそも詩にしても、歌詞にしても人それぞれの解釈が違うわけで、つたない私の解釈ですが老いた頭脳をフル回転しています(笑)。
『北海道無料写真素材集
       DO PHOTO』より