中島みゆきは現代に蘇った魔女か
故こすぎじゅんいち氏の著書に『魔女伝説』(1982年刊)『魔女伝説Ⅱ』(1984年刊)という本があります。
前者は中島みゆきとのインタビューが中心で、後者はこすぎじゅんいち氏が中島みゆきを追い求めて様々な哲学的考察をしています。
私は前者が1984年刊行第19刷本、後者は1987年刊行第4刷本を持っており、私にとっては謂わばバイブルのような存在です。
ソウウツ病という精神障害を抱えている私は20数年前から10回近く入退院を繰り返しています。退屈な入院生活の中でこの本を読み直すのが一番の楽しみです。(勿論、中島みゆきのCDとCDプレイヤーも必需品です)
また、中島みゆきはデビューした頃マスコミ関係者に「魔女の辞典」「魔女の料理辞典」という小冊子を配ったそうです。これらは文庫本『愛が好きです』(1982年刊)に収められています。お求めになりたい方へ取り扱っている古本屋をご紹介いたします(「古書検索」欄に「愛が好きです」と入力。10件あります)。
日本の古本屋
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でも取り扱っていますが、中古商品はたった1円で他の商品と一緒に買わなければ送料の負担が大き過ぎます。読むだけでいいなら、お近くの図書館に置いてあるはずです。
つまり、中島みゆき自身が自らを「魔女」と口走り、それを受けた形でこすぎじゅんいち氏も題名に「魔女伝説」とつけたのでしょう。
前振りが長くなってしまいました。
中島みゆきは様々な呼ばれ方をしますが、私は「魔女」だと今も考えています。
フリー百科事典『ウィッキペディア(Wikipedia)』から「
魔女
」の項の冒頭を引用します。多くの情報が載っているので興味のある方はアクセスしてみてください。
魔女
(まじょ、英: Witch、仏: Sorcière、独: Hexe)は、古いヨーロッパの俗信で、悪霊と交わり魔力を得たという女性。中世末から近世にかけてのヨーロッパ社会では、魔女は悪魔と契約を結んで得た力をもって災いをなす存在と考えられ、多くの人々が魔女として告発され、裁判にかけられた。ヨーロッパ大陸では魔女裁判で有罪とされた人は主に火あぶりにされ、イングランドでは絞首刑に処された。
また、「魔女の辞典」には「魔女」の項があり中島みゆきは次のような解釈を与えています。
魔女
数多くの言葉で物事を表現することに飽きた人が、吐く言葉にまとまりのない女を表現する言葉
ここには中島みゆき独特の自己揶揄が込められています。後のオールナイトニッポンで顕著になりますが、デビュー前のライブでも中島みゆきは饒舌です。私もおしゃべりなので解る気がしますが、喋り続けたあと一人になると無性に後悔したりします。
しかし、私が中島みゆきを「魔女」であると規定しているのはそうしたことからではありません。
中島みゆきの一番の魅力は歌詞にあります。多様性を持ち、平易なものから難解なものまであります。例えばファーストアルバム第一曲目の『あぶな坂』は、何となくイメージ的には把握しているつもりですがもっと深い意味があるのではないかと探求しています。
中島みゆきの歌のテーマは大別して「ふられ節」「恋唄」「母性愛」「望郷」「人生歌」などです。そのうち「ふられ節」が初期では最も多いのですが、設定をいろいろ変え女心も様々に描いています。他のテーマの曲にしてもそうです。また、『狼になりたい』で男の本音を歌ったり『傾斜』で老婆になったりもします。
しかもそれぞれの歌が、心にナイフが突き刺さったり、無限の愛に満ちていたり、生きる勇気を与えてくれたりします。
36年間に及ぶ活動の中で中島みゆきはどんどん進化(深化)しています。これはアーティストとして凄いことです。行き詰まりを感じてつい薬物に手を出してしまったアーティストも(俗説ではあのビートルズさえ)いるくらい厳しい世界なのですから。
中島みゆきが何故これほどまでに素晴らしい歌を作り続けている理由の一つに独身であることがあげられます。コンサートが終わりスタッフと打ち上げでどんちゃん騒ぎをした後、中島みゆきは一人ホテルへ戻り夜が明けるまで窓の外を見ていることが多いと『魔女伝説』の中で吐露しています。祭のあとの寂しさは格別です。中島みゆきはその寂しさを創作活動にのめりこむことで紛らわせているのかもしれません。深夜の独身女性のホテルの部屋へ悪魔がやってきて、まとまりのない言葉を残して去って行くという妄想も面白いです。
そう言えば「魔女」は独身ではなかったでしょうか。
マイルドセブンの丘
「北海道無料写真素材 DO PHOTO」より