アルバムタイトルは中島みゆきの造語である。「冷たい水の中にいる魚」という意味はすなわち逆境の中にいる私たちのことを言っているのだと思う。「臨月」まで来て、産まれるにはまだ時間がかかる。

編曲は、1曲目と2曲目を青木望が3・4曲目と6~9曲目を後藤次利が5曲目を松任谷正隆が担当している。

このアルバムのオリコン最高位は、1位。
題名 歌詞
曲調
解説
悪女
ジャズ
シングルがオリコン1位となる。三角関係のふられ役。強がって「悪女」になろうとするがどうしても素面がでてしまう。珍しく一人称がないことが、この歌に普遍性を持たせている。
傾斜
ボサノバ
不思議な曲調である。ピアノの伴奏がそれを助長している。加齢による人生の重荷と悲しみを逆説的に歌っているようだが、私自身50代になって歳を取るのも悪くないなと実感している。まだ30歳の中島みゆきが達観していたことには脱帽。
鳥になって
バラード
ふられ節。バイオリンのイントロが美しい。みゆきはささやくように歌っている。愛される人はみんなに愛される。私は愛してもらえない。ふられる辛さを知らなかった子供時代に鳥になって戻りたい。
捨てるほどの愛でいいから
バラード
切ないふられ節。この歌もささやくように歌っている。恵まれない恋に渇望する女性が痛々しい。ラストの「夢でもいいから 嘘でもいいから どうぞふりむいて どうぞ」の箇所でみゆきは嗚咽しているように聴こえる。
B.G.M.
バラード
ふられ節。この歌も情感たっぷりにささやくように歌っている。嘘で突き止めた男の電話番号に男が留守の時電話すると、カナリアみたいな女性の声が男の名前を呼び捨てにする。「この賭けも負けね」に悲哀感が満ちている。
家出
バラード
数少ない恋歌。この歌は凛々しい声で歌っている。男が駆け落ちをもちかけてくる。が、女は躊躇している。普通の恋愛に憧れる。月夜であるだけに尚更その思いが募る。
時刻表
フォーク
イントロのオルゴールが美しい。この歌は可愛くささやくように歌っている。日常のありふれた光景を鋭い視線で描く。一種の旅の歌。時刻表は列車の旅を連想させる。時刻表を見つめ今夜じゅうに行ってこれる海を探す。
砂の船
フォーク
人生歌。砂の船はやがて崩れてしまう。夢を追い求めるのは砂の船で漕ぎ出すようなものだ。崩れてしまおうとも夢を追い続ける。
歌姫
バラード
ゆっくりとした8分12秒ものバラード。中島みゆきはあるインタビューの中で「中島みゆき=歌姫」という図式が一種の伝説になっていることへの批判を述べている。中島みゆき自身、自分が歌姫であろうとこの歌を作ったわけではない。そうした安易な図式が流布されることへ恐さを述べている。
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