A-1悪女

A-2傾斜

A-3鳥になって

A-4捨てるほどの愛でいいから
悪女

マリコの部屋へ電話をかけて
男と遊んでる芝居 続けてきたけれど
あの娘も わりと忙しいようで
そうそう つき合わせてもいられない

土曜でなけりゃ映画も早い
ホテルのロビーもいつまでいられるわけもない
帰れるあてのあなたの部屋も
受話器をはずしたままね 話し中

悪女になるなら 月夜はおよしよ
素直になりすぎる
隠しておいた言葉が ほろり
こぼれてしまう イカナイデ
悪女になるなら
裸足で夜明けの電車で泣いてから
涙 ぽろぽろ ぽろぽろ
流れて 涸れてから

女のつけぬ コロンを買って
深夜の サ店の鏡でうなじにつけたなら
夜明けを待って 一番電車
凍えて帰れば わざと捨てゼリフ

涙も捨てて 情も捨てて
あなたが早く 私に愛想を尽かすまで
あなたの隠す あの子のもとへ
あなたを早く 渡してしまうまで

悪女になるなら 月夜はおよしよ
素直になりすぎる
隠しておいた言葉が ほろり
こぼれてしまう イカナイデ
悪女になるなら
裸足で夜明けの電車で泣いてから
涙 ぽろぽろ ぽろぽろ
流れて 涸れてから

(COPYRIGHT)  JASRACコード 002-3537-7

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傾斜

傾斜10度の坂道を
腰の曲がった老婆が 少しずつのぼってゆく
紫色の風呂敷包みは
また少しまた少し 重くなったようだ
彼女の自慢だった足は
うすい草履の上で 横すべり横すべり
のぼれども のぼれども
どこへも着きはしない そんな気がしてくるようだ

冬から春へと坂を降り 夏から夜へと坂を降り
愛から冬へと人づたい
のぼりの傾斜は けわしくなるばかり

としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか
悲しい記憶の数ばかり
飽和の量より増えたなら
忘れるよりほかないじゃありませんか

息が苦しいのは きっと彼女が
出がけにしめた帯がきつすぎたのだろう
息子が彼女に邪険にするのは
きっと彼女が女房に似ているからだろう
あの子にどれだけやさしくしたかと
思い出すほど あの子は他人でもない
みせつけがましいと言われて
抜きすぎた白髪の残りはあと少し

誰かの娘が坂を降り 誰かの女が坂を降り
愛から夜へと人づたい
のぼりの傾斜は けわしくなるばかり

としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか
悲しい記憶の数ばかり
飽和の量より増えたなら
忘れるよりほかないじゃありませんか

冬から春へと坂を降り 夏から夜へと坂を降り
愛から冬へと人づたい
のぼりの傾斜は けわしくなるばかり

としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか
悲しい記憶の数ばかり
飽和の量より増えたなら
忘れるよりほかないじゃありませんか

(COPYRIGHT)  JASRACコード 030-2728-7

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鳥になって

愛した人の数だけ 愛される人はいない
落ち葉の積もる窓辺はいつも
同じ場所と限るもの
あなたがとうに昔を忘れたと思っていた
窓にうつった 私の影は
とても だれかに似ていた

眠り薬をください 私にも
子供の国へ 帰れるくらい
あなたのことも 私のことも
思い出せなくなりたい

流れる心まかせて 波にオールを離せば
悲しいだけの答が見える
すれ違う舟が見える
誰も 眠りの中まで 嘘を持ってはゆけない
眠る額に 頬寄せたとき
あなたは 彼女を呼んだ

眠り薬をください 私にも
子供の国へ 帰れるくらい
私は早く ここを去りたい
できるなら 鳥になって

眠り薬をください 私にも
子供の国へ 帰れるくらい
私は早く ここを去りたい
できるなら 鳥になって

私は早く ここを去りたい
できるなら 鳥になって

(COPYRIGHT)  JASRACコード 055-9297-6


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捨てるほどの愛でいいから

夢でもいいから 嘘でもいいから
どうぞふりむいて どうぞ気がついて
あの人におくる愛に比べたら
ほんの捨てるほどの愛でいいから

はじめから どうせこんなことじゃないかと
思っていたわ
べつに涙流すほどのことじゃない
そうよ たぶん
愛を交わす人の一人もいない人には
見えなかった わたしの予感があたりね
でも 気のつくのが遅いわ
それがわたしの悪いところよ くり返し
一人の浜辺に打ちあげられるだけ
わすれられて
わすれられて さまよい揺れるだけ

夢でもいいから 嘘でもいいから
どうぞふりむいて どうぞ気がついて
あの人におくる愛に比べたら
ほんの捨てるほどの愛でいいから

誰にでも やさしくし過ぎるのは
あなたの 軽い癖でも
わたしみたいな者には心にしみる
はじめから いっそ冷たくされれば
こんな夢も見ないわ
いいえ それでも愛をまちわびるかしら
でも あなたの胸の中は
あの人のためによせる愛で 満たされて
わたしの姿は 波間に消えるだけ
わすれられて
わすれられて さまよい揺れるだけ

夢でもいいから 嘘でもいいから
どうぞふりむいて どうぞ気がついて
あの人におくる愛に比べたら
ほんの捨てるほどの愛でいいから

夢でもいいから 嘘でもいいから
どうぞふりむいて どうぞ気がついて
あの人におくる愛に比べたら
ほんの捨てるほどの愛でいいから

夢でもいいから 嘘でもいいから
どうぞふりむいて どうぞ

(COPYRIGHT)  JASRACコード 043-4628-9

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B-1B.G.M.

B-2家出

B-3時刻表

B-4砂の船

B-5歌姫
B.G.M.

あなたが留守と わかっていたから
嘘でつきとめた電話をかける
だれかが出たら それであきらめる
まちがい電話のふりをして 切るわ

カナリアみたいな声が受話器をひろう
あの人の名前 呼び捨てに
この賭けも 負け ね

淋しい歌を 歌ってたあなた
だから ひとりだと思ってた私
電話の中で聞こえていたのは
あの日に覚えた なつかしいメロディー

B.G.M.は 二人だけのとっておきのメロディー
知らずにいたのは私だけ
いじわるね みんな

B.G.M.は 二人だけのとっておきのメロディー
知らずにいたのはは私だけ
いじわるね みんな

(COPYRIGHT)  JASRACコード 099-2402-7


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家出

家を出てきてくれないかと
あなたは いうけれど
私 できればあなたのことを
誰かに褒めて欲しかった
何も持たず出て行こうと
あなたは駅で待つ
あなたの他はいらないけれど
すこし さみしかった

夜は浅く
逃げる者には
足跡だらけの 月あかり
比べることが悲しいものも
この世にあるよと 月あかり

親を捨てて 君をとると
あなたは誓うのね
できれば私 あなたを産んだ人と
ケンカしたかった
風は走る 風は走る
いま来た道を抱き寄せる
あなたがいれば すべてだけれど
それでも 私 ふりかえる

ねえ もう一度
言葉にしてよ
汽笛に消えぬように
ねえ もう一度 耳を貸してよ
あなたを 愛してる

夜は浅く
逃げる者には
足跡だらけの 月あかり
ねえ もう一度 耳を貸してよ
あなたを 愛してる

(COPYRIGHT)  JASRACコード 007-7777-3

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時刻表

街頭インタヴューに答えて 私やさしい人が好きよと
やさしくなれない女たちは答える
話しかけた若い司会者は またかとどこかで思いながら
ぞんざいに次の歩行者をつかまえる
街角にたたずむ ポルノショーの看板持ちは爪を見る

きのう午後9時30分に そこの交差点を渡ってた
男のアリバイを証明できるかい
あんなに目立ってた酔っぱらい 誰も顔は思い浮かばない
ただ そいつが迷惑だったことだけしか
たずね人の写真のポスターが 雨に打たれてゆれている

海を見たといっても テレビの中でだけ
今夜じゅうに行ってこれる海はどこだろう
人の流れの中で そっと時刻表を見上げる

満員電車で汗をかいて肩をぶつけてるサラリーマン
ため息をつくなら ほかでついてくれ
君の落としたため息なのか 僕がついたため息だったか
誰も電車の中 わからなくなるから
ほんの短い停電のように 淋しさが伝染する

誰が悪いのかを言いあてて どうすればいいかを書きたてて
評論家やカウンセラーは米を買う
迷える子羊は彼らほど賢い者はいないと思う
あとをついてさえ行けば なんとかなると思う
見えることとそれができることは 別ものだよと米を買う

田舎からの手紙は 文字がまた細くなった
今夜じゅうに行ってこれる海はどこだろう
人の流れの中でそっと 時刻表を見上げる
人の流れの中でそっと 時刻表を見上げる

(COPYRIGHT)  JASRACコード 040-5423-7

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砂の船

誰か 僕を呼ぶ声がする
深い夜の 海の底から
目を 開ければ窓の外には
のぞくように 傾いた月

僕はどこへゆくの夢を泳ぎ出て
夢を見ない国をたずねて
いま 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく

望むものは何ひとつない
さがす人も 誰ひとりない
望むほどに 消える夢です
さがすほどに 逃げる愛です

月は波に揺れて 幾百 幾千
古い熱い夢の数だけ
いま 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく

月は波に揺れて 幾百 幾千
古い熱い夢の数だけ
いま 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく
いま 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく
ただ 誰もいない夜の海を
砂の船が ゆく

(COPYRIGHT)  JASRACコード 043-4631-9

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歌姫

淋しいなんて 口に出したら
誰もみんな うとましくて逃げ出してゆく
淋しくなんかないと笑えば
淋しい荷物 肩の上でなお重くなる
せめておまえの歌を 安酒で飲みほせば
遠ざかる船のデッキに立つ自分が見える
歌姫 スカートの裾を
歌姫 潮風になげて
夢も哀しみ欲望も 歌い流してくれ

南へ帰る船に遅れた
やせた水夫 ハーモニカを吹き鳴らしてる
砂にまみれた錆びた玩具に
やせた蝶々 蜜をさがし舞いおりている
握りこぶしの中にあるように見せた夢を
遠ざかる誰のためにふりかざせばいい
歌姫 スカートの裾を
歌姫 潮風になげて
夢も哀しみも欲望も 歌い流してくれ

男はいつも 嘘がうまいね
女よりも子供よりも 嘘がうまいね
女はいつも 嘘が好きだね
昨日よりも 明日よりも 嘘が好きだね
せめておまえの歌を 安酒で飲みほせば
遠ざかる船のデッキに たたずむ気がする
歌姫 スカートの裾を
歌姫 潮風になげて
夢も哀しみも欲望も 歌い流してくれ

握りこぶしの中にあるように見せた夢を
もう二年 もう十年 忘れすてるまで
歌姫 スカートの裾を
歌姫 潮風になげて
夢も哀しみも欲望も 歌い流してくれ

(COPYRIGHT)  JASRACコード 010-6736-2

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