1975年11月、テレビで『第六回世界歌謡祭』が放映されました。

司会は今は亡き坂本九氏です。(アルバム『時代―Time goes around―』に坂本九氏がアナウンスする声が収録されています)

アナウンスに促されてグランプリ曲の披露に現れたのは、
ギターを抱え、長い髪を後ろに束ね、すらりとした容姿で、顔はまだ高校生と言っても通るような童顔の少女でした。

しかし、
グランプリ曲『時代』胸を打つ人生歌で、彼女はオーケストラをバックに堂々と高らかに歌い上げました。

その少女こそ、
中島みゆきです。

私は当時、東京大学受験のプレッシャーからウツ状態にあり、
中島みゆきの歌う『時代』に大いに癒されました。

それ以来私は、
中島みゆきの虜となりました。

中島みゆきの曲を聴くと心が癒されます。

辛い時、悲しい時、くやしい時、落ち着かない時、憂鬱な時、中島みゆき
の歌はまるで精神安定剤のように私を癒してくれます。


これは、私の記憶がこんがらがっているのかもしれませんが、私は世界歌謡祭で『時代』が発表される前に、深夜ラジオで聞いたような記憶があります。

中学、高校の時私は、部活から帰って来るとすぐ眠り、23時頃に起き出して深夜ラジオを聴きながら勉強をするというスタイルをずっと貫いていました。

そのお蔭で音楽シーンにおける黄金の世代、1970年代の曲を全て深夜ラジオから聴取し、その美しいメロディに乗せられて勉強もはかどりました。

しかし、高校3年の10月に突然猛烈なウツに襲われラジオを聞くどころではなかったはずです。

上にも書きましたとおり、世界歌謡祭をテレビで見た時も、まだウツ状態からは抜けきっていませんでした。

多分、ウツから回復してまた深夜族に戻った際にラジオから流れていた『時代』を、世界歌謡祭の前に聞いたのだと勘違いしているのだと思います。


私の住んでいる街には、持ち込んだレコードをかけてくれる喫茶店「合歓(ねむ)」がありました。

姉とよく通ったのですが、姉も中島みゆきのファンでファーストアルバム、セカンドアルバムを携えて「合歓」に通ったものです。

中島みゆきの歌声を聞きながら飲むコーヒーはとても美味しかった想い出があります。

その頃はまだ中島みゆきの魅力の100分の1も分かっていなかったと思います。

しかし、高校3年生なりに中島みゆきの魅力を感じてどんどん彼女の世界にはまり込んでゆきました。
世界歌謡祭 会場    『財団法人ヤマハ音楽振興会』サイトより