A-1 遍路

A-2 店の名はライフ

A-3 まつりばやし

A-4 女なんてものに


遍路

  • はじめて私に スミレの花束くれた人は
    サナトリウムに消えて それきり戻っては来なかった
    はじめて私が 長い長い手紙書いた人は
    仲間たちの目の前で 大声で読みあげ 笑ってた
    私が まだ 一人旅に憧れてた頃
    もう幾つ目の 遠回り道 行き止まり道
    手にさげた鈴の音は
    帰ろうと言う 急ごうと言う
    うなずく私は 帰り道も とうになくしたのを知っている

  • はじめて私に 甘い愛の言葉くれた人は
    私が勤めた店に 前借りに現われ 雲隠れ
    はじめて私に 笑い顔がいいと言った人は
    あれは私の聞き違い
    隣の席の娘あての挨拶
    もう幾つ目の 遠回り道 行き止まり道
    手にさげた鈴の音は
    帰ろうと言う 急ごうと言う
    うなずく私は 帰り道も とうになくしたのを知っている

  • はじめて私に 永遠の愛の誓いくれた人は
    ふたりで暮らす家の 屋根を染めに登り それっきり
    はじめて私に 昔は忘れろと言った人は
    今度は 彼の 人違い あまりに誰かを待ちすぎたあげくに
    もう幾つ目の 遠回り道 行き止まり道
    手にさげた鈴の音は
    帰ろうと言う 急ごうと言う
    うなずく私は 帰り道も とうになくしたのを知っている

    (COPYRIGHT) JASRACコード 076-1051-3


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    店の名はライフ

  • 店の名はライフ 自転車屋のとなり
    どんなに酔っても たどりつける
    店の名はライフ 自転車屋のとなり
    どんなに酔っても たどりつける
    最終電車を 逃したと言っては
    たむろする 一文無したち
    店の名はライフ 自転車屋のとなり
    どんなに酔っても たどりつける

  • 店の名はライフ おかみさんと娘
    母娘で よく似て 見事な胸
    店の名はライフ おかみさんと娘
    母娘で よく似て 見事な胸
    娘のおかげで 今日も新しいアルバイト
    辛過ぎるカレー みようみまね
    店の名はライフ おかみさんと娘
    母娘でよく似て 見事な胸

  • 店の名はライフ 三階は屋根裏
    あやしげな運命論の 行きどまり
    店の名はライフ 三階は屋根裏
    あやしげな運命論の 行きどまり
    二階では徹夜でつづく恋愛論
    抜け道は左 安梯子
    店の名はライフ 三階は屋根裏
    あやしげな運命論の 行きどまり

  • 店の名はライフ いまや純喫茶
    頭のきれそな 二枚目マスター
    店の名はライフ いまや純喫茶
    頭のきれそな 二枚目マスター
    壁の階段は ぬり込めてしまった
    真直ぐな足のむすめ 銀のお盆を抱えて
    「いらっしゃいませ」……

    店の名はライフ 自転車屋のとなり
    どんなに酔っても たどりつける
    店の名はライフ 自転車屋のとなり
    どんなに酔っても たどりつける

    (COPYRIGHT) JASRACコード 083-4136-2


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    まつりばやし

  • 肩にまつわる 夏の終わりの 風の中
    まつりばやしが 今年も近づいてくる
    丁度 去年の いま頃 二人で 二階の
    窓にもたれて まつりばやしを見ていたね
    けれど 行列は 通り過ぎていったところで
    後ろ姿しか 見えなくて 残念だった
    あとで思えば あの時の 赤い山車は
    私の すべてのまつりの 後ろ姿だった
    もう 紅い花が 揺れても

  • 今年よく似た 声をかき消す まつりの中
    信じられない おまえの最後を知る
    眠りはじめた おまえの窓の外
    まつりばやしは 静かに あでやかに通り過ぎる
    もう 紅い花が 揺れても

  • 人は誰でも まつりの終わりを知る
    まつりばやしに 入れなくなる時を知る
    眠りつづける おまえよ 私のところへは
    まつりばやしは 二度とは来ないような気がするよ
    もう 紅い花が 揺れても
    もう 紅い花が 揺れても
    もう 紅い花が 揺れても

    (COPYRIGHT) JASRACコード 080-4122-9


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    女なんてものに

  • 女なんてものに 本当の心はないと
    そんなふうに言うようになった
    あなたが哀しい
    女なんてものは 心にもないことを
    平気で言うと人を悟してる
    あなたが哀しい
    笑ってごらんなんて なぐさめを
    あたし これから 信じないわ
    泣いても どうにも ならないけれど
    笑っても あなたは 帰らないじゃないの

  • 女なんてものは 愛などほしがらないと
    笑いながら 言うようになった
    あなたが哀しい
    女なんて奴の 涙は 売り物だと
    泣いてる人を指さして言う
    あなたが哀しい
    忘れていればなんて 言い方を
    あたし これから 信じないわ
    呼んでも どうにもならないけれど
    忘れても あなたは 帰らないじゃないの

  • 笑ってごらん なんて なぐさめを
    あたし これから信じないわ
    泣いても どうにも ならないけれど
    笑っても あなたは
    忘れても あなたは
    帰らないじゃないの

    (COPYRIGHT) JASRACコード 054-8099-0


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  • B-1 朝焼け

    B-2 ホームにて

    B-3 勝手にしやがれ

    B-4 サーチライト

    B-5 時は流れて


    朝焼け

  • 繰り返す 波の音の中
    眠れない夜は
    独りうらみ言 独りうらみ言並べる
    眠れない夜が明ける頃
    心もすさんで
    もう あの人など ふしあわせになれと思う
    昔 読んだ本の中に こんな日を見かけた
    ああ あの人は いま頃は
    例の ひとと 二人

  • 曇りガラス 外は寒い
    独り あるくには
    海を見にゆけば たどりつく前に凍りそう
    かもめたちが 目を覚ます
    霧の中 もうすぐ
    ああ あの人は いま頃は
    例の ひとと 二人

  • かもめたちが 目を覚ます
    霧の中 もうすぐ
    ああ あの人は いま頃は
    例の ひとと 二人

    (COPYRIGHT) JASRACコード 001-6555-7


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    ホームにて

  • ふるさとへ 向かう最終に
    乗れる人は 急ぎなさいと
    やさしい やさしい声の 駅長が
    街なかに 叫ぶ
    振り向けば 空色の汽車は
    いま ドアが閉まりかけて
    灯りともる 窓の中では 帰りびとが笑う
    走りだせば 間に合うだろう
    かざり荷物を ふり捨てて
    街に 街に挨拶を
    振り向けば ドアは閉まる

  • 振り向けば 空色の汽車は
    いま ドアが閉まりかけて
    灯りともる 窓の中では 帰りびとが笑う
    ふるさとは 走り続けた ホームの果て
    叩き続けた 窓ガラスの果て
    そして 手のひらに残るのは
    白い煙と乗車券
    涙の数 ため息の数 溜ってゆく空色のキップ
    ネオンライトでは 燃やせない
    ふるさと行きの乗車券

  • たそがれには 彷徨う街に
    心は 今夜も ホームに たたずんでいる
    ネオンライトでは 燃やせない
    ふるさと行きの乗車券
    ネオンライトでは 燃やせない
    ふるさと行きの乗車券

    (COPYRIGHT) JASRACコード 077-4355-6

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    勝手にしやがれ

  • 右へ行きたければ 右へ行きゃいいじゃないの
    あたしは左へ行く
    山へ行きたければ 山へ行きゃいいじゃないの
    あたしは町へ行く
    あたしはあたし おもちゃじゃない
    どうしようと勝手
    心はなれて はじめて気づく
    あんたの わがままが ほしい

  • 部屋を出て行くなら 明かり消して行ってよ
    後ろ姿を見たくない
    明かりつけたければ 自分でつけに行くわ
    むずかしい本でも 読むために
    あんたはあんた おもちゃじゃない
    どうしようと勝手
    心はなれて はじめて気づく
    あんたの わがままが ほしい

  • あたしはあたし おもちゃじゃない どうしようと勝手
    心はなれて はじめて気づく
    あんたの わがままが ほしい

    (COPYRIGHT) JASRACコード 019-8961-8

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    サーチライト

  • あたしがあんまりブルースを歌いすぎたから
    町では このところ 天気予報は「明日も夜です」
    それでも とにかく 昔の古いろうそくを
    引っぱり出して火をつける
    すると 聞こえだす 古いブルース
    明るいろうそくを点せば 明るいブルースが点り
    ちびたろうそくを点せば  ちびたブルースが揺れる
    サーチライト……

  • 町では毎日ブルースが たむろして
    大人も 年寄りも しいたげられた悲しみ歌う
    それでも あたしの 悲しみほどじゃない
    あたしの悲しみは 昇る朝日も落としちまうほど
    ふられた女の気持ちを 甘くみくびるものじゃないわ
    たかが太陽のひとつくらい あの人に比べたなら
    サーチライト……

  • 頼みがあるのよ 大切な頼みなの
    あの人探すのよ きっと暗くて探せないだけよ
    明かりを貸してよ 町じゅうのろうそくを
    あたしを照らすのよ きっと暗くて探せないだけよ
    わすれん坊のあの人でも いつか気付いてくれるだろう
    いつか ともし疲れた炎が あたしに燃え移るころ
    サーチライト……

    (COPYRIGHT) JASRACコード 036-6345-1

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    時は流れて

  • あんたには もう 逢えないと思ったから
    あたしはすっかり やけを起こして
    いくつもの恋を 渡り歩いた
    その度に 心は 惨めになったけれど
    あんたの行方を 探したりすれば
    もっと惨めに なりそうな気がして

  • あんたの恋の うわさも いくつか聞いた
    その度に 心は 安心していた
    あたし一人が 変わってしまって
    あんたが何ひとつ変わらずにいたら
    時はなんにも 理由のない
    淋しい月日に なりそうな気がして

  • あんたよりずっと いいと思う相手と
    恋をし直して きたつもりだった
    人がなんと言おうと おかまいなしに
    なんとか今日だけ 楽しくなれよと
    明日などないと 酒をあおれば
    なお褪めて 今日も まだ生きていた
    人生は そんなもの

  • 時は流れて 町は変わった
    知ってる顔も 少なくなった
    小石のように 転がりながら
    そうして あたしは あんたを待ちすぎた
    たとえ もういちど まぐれ逢えても
    顔も 見分けてもらえは しないだろう程に

  • あんたには もう 逢えないと思ったから
    あたしはすっかり やけを起こして
    いくつもの恋を 渡り歩いた
    その度に 心は 惨めになったけれど
    そして あたしは 変わってしまった
    泳ごうとして 泳げなかった 流れの中で
    今はただ 祈るほかはない
    あんたが あたしを みつけやしないように
    時は流れて 時は流れて
    そして あたしは 変わってしまった
    流れの中で 今はただ祈るほかはない
    あんたが あたしを
    こんなに変わった あたしを
    二度と みつけや しないように

  • 時は流れて 時は流れて
    そして あたしは変わってしまった 
    時は流れて 時は流れて
    そして あたしは
    あんたに 逢えない

    (COPYRIGHT) JASRACコード 055-6568-5

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